知っておきたい 『漢方方剤』

イアトリズム総合案内
漢方方剤

三仁湯

よみかた
さんにんとう
方剤種別
祛湿剤 <清熱利湿剤
典拠出典
温病条弁

処方構成(この漢方方剤を構成する生薬の組み合わせ)

生薬名 原材料と加工法
杏仁きょうにんバラ科サクラ属のホンアンズおよびアンズなどの種子
飛滑石ひかっせき加水ハロイサイト
白通草はくつうそうウコギ科カミヤツデ属カミヤツデの茎の髄
白蔲仁はくくにん殻を取り除いたショウガ科アモムム属ビャクズクの成熟果実
竹葉ちくようイネ科マダケ属ハチクの葉
厚朴こうぼくモクレン科モクレン属のカラホウ、オウヨウコウボク、ホウノキなどの樹皮
生薏苡仁しょうよくいにん種皮を除いたイネ科ジュズダマ属ハトムギの成熟種子
半夏はんげ外皮を除いたサトイモ科ハンゲ属カラスビシャクの塊茎

適応疾患および対象症状

頭痛、顔色が悪い、胸苦しさ、倦怠感、午後の発熱、悪寒、身体の痛み、腹部の冷え、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、腹部膨満感、みぞおちのつかえ、尿量減少、腎炎、腎盂炎、舌苔が白い

この方剤の持つ「薬理作用」

鎮痛作用、顔色改善、解熱作用、悪寒改善、元気回復、疲労回復、冷感改善、食欲増進、止瀉作用、消炎作用、腹満改善、止嘔作用、嘔気改善、尿量改善、舌苔改善

東医弁証(この方剤が対象とする、東洋医学の診断に基づく疾患および症状)

湿温初期、胸悶不肌、暑温挟湿、邪在気分、頭痛身重、湿遏熱伏

治法治則(この方剤が持つ、東洋医学的治療法と治療原則)

宣暢気機、暑解熱清、脾運復健、三焦通暢

別出典の同名漢方方剤

  • 『方剤種別』については、複数の漢方方剤種別に属する方剤もあるが、当該方剤の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方方剤種別に基づき、単一の方剤種別に属させている。
  • 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
  • 『適用疾患および対象症状』については、当該方剤が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
  • 『この方剤の持つ「薬理作用」』については、当該方剤の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。