知っておきたい 『漢方方剤』

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漢方方剤

杞菊地黄丸

よみかた
こぎくじおうがん
方剤種別
補益剤 <補陰剤
典拠出典
医級宝鑑

処方構成(この漢方方剤を構成する生薬の組み合わせ)

生薬名 原材料と加工法
熟地黄じゅくじおう乾燥させ酒で蒸したゴマノハグサ科アカヤジオウ属のジオウ・アカヤジオウ・カイケイジオウの塊根
山茱萸さんしゅゆ成熟したミズキ科ミズキ属サンシュユの果肉
山薬さんやく外皮を除いたヤマノイモ科ヤマノイモ属のナガイモおよびヤマノイモの担根体
沢瀉たくしゃ周皮を除いたオモダカ科サジオモダカ属サジオモダカの塊茎
茯苓ぶくりょう外層を取り除いたサルノコシカケ科ウォルフィポリア属マツホドの菌核
牡丹皮ぼたんぴボタン科ボタン属ボタンの根皮
枸杞子くこしナス科クコ属のクコおよびナガバクコの成熟果実
菊花きくかキク科キク属キクの頭花
煉蜜れんみつ火を通したミツバチ科ミツバチ属のトウヨウミツバチおよびセイヨウミツバチなどが集めた花の蜜

適応疾患および対象症状

視力低下、眼のかすみ、眼の乾き、眼の異物感、流涙、めまい、ふらつき

この方剤の持つ「薬理作用」

視力改善、流涙改善、目眩改善、貧血改善

東医弁証(この方剤が対象とする、東洋医学の診断に基づく疾患および症状)

肝腎陰虚、眼睛乾渋、迎風流涙、頭暈目眩

治法治則(この方剤が持つ、東洋医学的治療法と治療原則)

滋腎養肝、養血明目
  • 『方剤種別』については、複数の漢方方剤種別に属する方剤もあるが、当該方剤の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方方剤種別に基づき、単一の方剤種別に属させている。
  • 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
  • 『適用疾患および対象症状』については、当該方剤が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
  • 『この方剤の持つ「薬理作用」』については、当該方剤の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。