知っておきたい 『漢方方剤』

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漢方方剤

五汁飲

よみかた
ごじゅういん
方剤種別
潤燥剤 <滋陰内燥剤
典拠出典
温病条弁

処方構成(この漢方方剤を構成する生薬の組み合わせ)

生薬名 原材料と加工法
梨汁りじゅうバラ科ナシ属ナシあるいはホクシヤマナシの成熟果実の絞り汁
荸薺汁ぼっせいじゅうカヤツリグサ科ハリイ属オオクログワイなどの球茎の絞り汁
鮮芦根汁せんろこんじゅうイネ科ヨシ属ヨシ(アシ)の根茎の絞り汁
麦門冬汁ばくもんどうじゅうキジカクシ科ジャノヒゲ属ジャノヒゲの塊根の絞り汁
藕汁ぐうじゅうハス科ハス属ハスの根茎の絞り汁

適応疾患および対象症状

発熱、口渇、口の乾燥、口の粘り、舌の乾燥

この方剤の持つ「薬理作用」

止渇作用、解熱作用、口乾改善、舌乾改善

東医弁証(この方剤が対象とする、東洋医学の診断に基づく疾患および症状)

温病熱甚、肺胃津傷、口中燥渇、咳唾白沫、粘滞不爽

治法治則(この方剤が持つ、東洋医学的治療法と治療原則)

生津潤燥、清肺胃熱、生津止渇
  • 『方剤種別』については、複数の漢方方剤種別に属する方剤もあるが、当該方剤の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方方剤種別に基づき、単一の方剤種別に属させている。
  • 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
  • 『適用疾患および対象症状』については、当該方剤が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
  • 『この方剤の持つ「薬理作用」』については、当該方剤の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。