知っておきたい 『漢方生薬』

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漢方生薬

象牙

よみかた
ぞうげ
生薬種別
外用薬
薬味薬性

異称別名および炮製品名

象牙屑など

基原炮製(この生薬の原材料と加工法)

ゾウ科のアジアゾウ属アジアゾウおよびアフリカゾウ属アフリカゾウの牙

適応疾患および対象症状

皮膚化膿症、角膜の混濁、ノドの腫れ、ノドの痛み、外傷、熱感など

薬理作用

創傷回復、皮膚再生、止血作用、視力改善、消腫作用、鎮痛作用、熱感改善、解毒作用、解熱作用、精神安定など

東洋医学的弁証(この生薬が対象とする、東洋医学の診断に基づく疾患および症状)

癰瘡腫毒(化膿性の皮膚病変)、金創出血(刃物による外傷と出血)、潰瘍不斂(潰瘍が治りにくい)、瘡口不斂(傷口が治らない)、新肉不生(傷口に新しい肉が生えない)、目翳創傷(目の傷と曇り)、骨蒸労熱(慢性のほてり感)、咽喉腫痛(のどのはれと痛み)

治法・治療原則(この生薬が持つ、東洋医学的治療法と治療原則)

解毒生肌(毒素を解毒し組織を再生)、止血斂瘡(出血を止め瘡を収斂)、生肌斂瘡(肉を生じ瘡を収斂)、清熱定驚(熱を清め驚きを定める)

帰属経絡(この生薬が主に治療効果を発揮する、経絡および臓腑)

心、腎
  • 『生薬種別』については、複数の漢方生薬種別に属する生薬もあるが、当該生薬の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方生薬種別に基づき、単一の生薬種別に属させている。
  • 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
  • 『適用疾患および対象症状』については、当該生薬が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
  • 『この生薬の持つ「薬理作用」』については、当該生薬の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。