知っておきたい 『漢方生薬』

イアトリズム総合案内
漢方生薬

白蝋

よみかた
はくろう
生薬種別
外用薬
薬味薬性
甘、淡微温

異称別名および炮製品名

基原炮製(この生薬の原材料と加工法)

ミツバチ科ミツバチ属ニホンミツバチあるいはセイヨウミツバチなどの巣を構成する蝋 を精製し天日に晒して漂白したもの

適応疾患および対象症状

皮膚の腫れ、皮膚の発赤、皮膚の痛み、皮膚化膿症、火傷、下痢、下血、遺精、尿の混濁、切迫流産、腹痛など

薬理作用

創傷回復、止血作用、鎮痛作用、消腫作用、皮膚再生、止瀉作用、止帯作用、安胎作用、強精強壮、尿色改善、解毒作用など

東洋医学的弁証(この生薬が対象とする、東洋医学の診断に基づく疾患および症状)

久潰不斂(長期間治らない潰瘍)、燙傷熱瘡(火傷と熱によるできもの)、癰疽瘡毒(化膿性の皮膚病変)、赤白痢疾(赤と白の下痢)、腹痛便血(腹痛と便血)、遺精尿濁(夢精と濁った尿)、胎動不安(胎動が激しく流産の危険がある)、臁瘡糜爛(下腿の潰瘍)

治法・治療原則(この生薬が持つ、東洋医学的治療法と治療原則)

収渋止血(収渋させ出血を止める)、収渋止帯(収渋させ帯下を止める)、解毒消瘡(毒素を解毒し瘡を消散)、収斂生肌(収斂させ肌を生じる)、肌生定痛(肌を再生し痛みを定める)、療瘡定痛(瘡を治療し痛みを鎮める)

帰属経絡(この生薬が主に治療効果を発揮する、経絡および臓腑)

胃、脾、大腸

この生薬を用いる「漢方方剤」

方剤名 出典(処方来源)
紫雲膏しうんこう《華岡青洲方》はなおかせいしゅうほう
  • 『生薬種別』については、複数の漢方生薬種別に属する生薬もあるが、当該生薬の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方生薬種別に基づき、単一の生薬種別に属させている。
  • 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
  • 『適用疾患および対象症状』については、当該生薬が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
  • 『この生薬の持つ「薬理作用」』については、当該生薬の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。