知っておきたい 『漢方生薬』

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漢方生薬

金汁

よみかた
きんじゅう
生薬種別
清熱涼血薬
薬味薬性

基原炮製(この生薬の原材料と加工法)

冬至前後一ヶ月の間に収集したヒト科ヒト属ヒト(11~12歳の男児)の糞便を瓶に入れ、赤土と清水を加えて撹拌し、土中に1~30年間埋めたのちに取り出して濾過したもの。

適応疾患および対象症状

発熱、高熱、熱感、皮下出血、意識障害、うわごと、口渇、発汗、ノドの痛み、口の乾燥など

薬理作用

解熱作用、解毒作用、熱感改善、止血作用、意識回復、精神安定、止渇作用、止汗作用、鎮痛作用、口乾改善など

東洋医学的弁証(この生薬が対象とする、東洋医学の診断に基づく疾患および症状)

熱湿中毒(熱湿による中毒)、暑熱湿毒(暑熱と湿の毒)、大熱狂走(高熱で狂ったように走る)、五臓実熱(五臓の実熱)

治法・治療原則(この生薬が持つ、東洋医学的治療法と治療原則)

清熱解毒(熱を清め毒を解す)、涼血消斑(血を冷やし斑を消散)、清泄肝火(肝火を清め泄らす)、清暑解毒(暑気を清め毒を解く)

帰属経絡(この生薬が主に治療効果を発揮する、経絡および臓腑)

この生薬を用いる「漢方方剤」

方剤名 出典(処方来源)
神犀丹しんさいたん《温熱経緯》おんねつけいい
  • 『生薬種別』については、複数の漢方生薬種別に属する生薬もあるが、当該生薬の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方生薬種別に基づき、単一の生薬種別に属させている。
  • 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
  • 『適用疾患および対象症状』については、当該生薬が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
  • 『この生薬の持つ「薬理作用」』については、当該生薬の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。