知っておきたい 『漢方生薬』

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漢方生薬

童便

よみかた
どうべん
生薬種別
補陰薬
薬味薬性

異称別名および炮製品名

童子尿など

基原炮製(この生薬の原材料と加工法)

ヒト科ヒト属ヒトの尿(10歳以下の男児の尿)

適応疾患および対象症状

喀血、吐血、鼻出血、産後のめまい、せき、眼の充血、眼の痛み、熱感、打撲、子宮出血など

薬理作用

止血作用、目眩改善、鎮咳作用、創傷回復、鎮痛作用、熱感改善、解熱作用、疲労回復、血行改善、消腫作用など

東洋医学的弁証(この生薬が対象とする、東洋医学の診断に基づく疾患および症状)

虚労咳血(虚弱による咳と血痰)、骨蒸発熱(骨蒸による発熱)、吐血衄血(吐血と鼻血)、跌打損傷(打撲による外傷)、血瘀作痛(血の滞りによる痛み)、産後血暈(出産後の血のめまい)、目赤腫痛(目が赤く腫れ痛む)、子宮出血(子宮からの出血)

治法・治療原則(この生薬が持つ、東洋医学的治療法と治療原則)

滋陰降火(陰を滋養し火を降ろす)、止血散瘀(出血を止め瘀血を消散)、涼血散瘀(血を冷やし瘀血を散らす)

帰属経絡(この生薬が主に治療効果を発揮する、経絡および臓腑)

心、肺、膀胱、腎

この生薬を用いる「漢方方剤」

方剤名 出典(処方来源)
小定風珠しょうていふうしゅ《温病条弁》おんびょうじょうべん
  • 『生薬種別』については、複数の漢方生薬種別に属する生薬もあるが、当該生薬の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方生薬種別に基づき、単一の生薬種別に属させている。
  • 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
  • 『適用疾患および対象症状』については、当該生薬が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
  • 『この生薬の持つ「薬理作用」』については、当該生薬の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。