知っておきたい 『病院の検査』

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ためこみ症診断検査

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検査対象
ためこみ症

物を捨てられない・部屋がものでいっぱい・過度に品物を収集する、などといった症状や病態を示す精神疾患「ためこみ症」を診断するための検査。
本人の主観および家族など周囲の人々による客観的観察により得られる情報をもとに、DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)・ICD(国際疾病統計分類)等の基準に基づき医師が問診、診察を行い診断が下される。

診断基準 DSM-5 「ためこみ症」より

  • A.実際の価値とは関係なく、所有物を捨てること、または手放すことが持続的に困難である。
  • B.品物を捨てることについての困難さは、品物を保存したいと思われる要求やそれらを捨てることに関連した苦痛によるものである。
  • C.所有物を捨てることの困難さによって、活動できる生活空間が物で一杯になり、取り散らかり、実質的に本来意図された部屋の使用が危険にさらされることになる。もし生活空間が取り散らかっていなければ、それはただ単に第三者による介入があったためである(例:家族や清掃業者、公的機関)。
  • D.ためこみは、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な分野における機能の障害(自己や他者にとって安全な環境を維持することも含めて)を引き起こしている。
  • E.ためこみは他の医学的疾患に起因するものではない(例:脳の損傷、脳血管疾患、プラダー‐ウィリー症候群)。
  • F.ためこみは、他の精神疾患の症状によってうまく説明できない(例:強迫症の強迫観念、うつ病によるエネルギー低下、統合失調症や他の精神病性障害による妄想、認知症における認知機能障害、自閉スペクトラム症における限定的興味)。
  • ▶ 該当すれば特定せよ
  • 過剰収集を伴う:不必要であり、置く場所がないのにもかかわらず過度に品物を収集する行為が、所有物を捨てることが困難である状態に伴っている場合
  • ▶ 該当すれば特定せよ
  • 病識が十分または概ね十分:その人はためこみに関連した信念や行動(品物を捨てることの困難さ、取り散らかし、または過剰な収集に関連する)が問題であると認識している。
  • 病識が不十分:その人は、反証の根拠があるにもかかわらず、ためこみに関連した信念や行動(品物を捨てることの困難さ、取り散らかし、過剰な収集に関連する)に問題がないとほとんど確信している。
  • 病識に欠如した・妄想的な信念を伴う:その人は、反証の根拠があるにもかかわらず、ためこみに関連した信念や行動(品物を捨てることの困難さ、取り散らかし、過剰な収集に関連する)に問題がないと完全に確信している。
  • 基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。