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漢方方剤の分類のうち「祛湿剤」って、どんなもの?

じめじめ、ムシムシ…、湿度が多いと身体も重い…

祛湿剤は、多湿や雨に濡れるなど外部から湿邪を受けたり、飲食の不摂生や過度な飲酒などが原因となり体内で湿邪が生じた『湿病』を改善する方剤で「燥湿和胃剤」「清熱利湿剤」「利水滲湿剤」「温化水湿剤」「祛風勝湿剤」の五種に大別されます。

燥湿和胃剤は、飲食の不摂生などを原因とする脾胃の不調により引き起こされる、食欲不振・腹満・悪心・嘔吐・下痢・倦怠感などの症状を治療する方剤で、代表的な方剤には「藿香正気散」「平胃散」などがあります。

清熱利湿剤は、暑さや多湿などによって引き起こされる、発熱・頭重・頭痛・身体痛・濃尿・尿量減少・嘔吐・黄疸・倦怠感などの症状を治療する方剤で、代表的な方剤には「宣痺湯」「三仁湯」などがあります。

利水滲湿剤は、体内に水湿が停滞することにより生じる、尿量減少・排尿困難・発熱・口渇・むくみ・だるさ・下痢・呼吸困難などの症状を治療する方剤で、代表的な方剤には「五苓散」「木防已湯」などがあります。

温化水湿剤は、水湿の寒化などが原因で生じる、しびれ・だるさ・むくみ・動悸・身体痛・手足の冷え・脚気・食欲不振・めまいなどの症状を治療する方剤で、代表的な方剤には「鶏鳴散」「苓桂朮甘湯」などがあります。

祛風勝湿剤は、風寒湿の邪気が侵襲することにより生じる、頭重・頭痛・しびれ・身体痛・関節痛・だるさ・むくみ・知覚麻痺などの症状を治療する方剤で、代表的な方剤には「桂枝附子湯」「独活寄生湯」などがあります。