これで解決!『東洋医学の疑問』

イアトリズム総合案内

漢方方剤の分類のうち「補益剤」って、どんなもの?

さまざまな不足を、いろんな組合せで補います

補益剤は、気虚・血虚・陰虚・陽虚といった『虚証』における、気・血・陰・陽の先天的・後天的な正気の不足を補法で補い機能を改善する方剤で「補気剤」「補血剤」「気血双補剤」「補陰剤」「気陰双補剤」「補陽剤」「陰陽双補剤」の七種に大別されます。

補気剤は、生体の元気が不足することにより、めまい・動悸・息切れ・食欲不振・倦怠感・生理不順などの症状が現れる『気虚』の状態を改善する方剤で、代表的な方剤には「補中益気湯」「六君子湯」「四君子湯」などがあります。

補血剤は、血液が不足することにより、動悸・めまい・不眠・目のかすみ・顔面蒼白・生理不順などの症状が現れる『血虚』の状態を改善する方剤で、代表的な方剤には「四物湯」「桃紅四物湯」「当帰生姜羊肉湯」などがあります。

気血双補剤は、元気と血液の両方が不足することにより、動悸・めまい・息切れ・顔面蒼白・不眠・倦怠感などの症状が現れる『気血両虚』を改善する方剤で、代表的な方剤には「帰脾湯」「泰山盤石散」「八珍湯」などがあります。

補陰剤は、陰液や精血が不足することにより、ほてり・のぼせ・熱感・口の渇き・寝汗・痩せ・不眠などの症状を呈する『陰虚』の状態を改善する方剤で、代表的な方剤には「左帰飲」「大補陰丸」「六味地黄丸」などがあります。

気陰双補剤は、元気と陰液や精血などが不足することにより、めまい・動悸・息切れ・口渇・ほてりなどの症状が現れる『気陰両虚』の状態を改善する方剤で、代表的な方剤には「生脈散」「参苓白朮散」「啓脾湯」などがあります。

補陽剤は、陽気が不足することにより臓腑の機能が低下し、四肢の冷え・息切れ・動悸・自汗・疲労などの症状が現れる『陽虚』の状態を改善する方剤で、代表的な方剤には「右帰飲」「八味地黄丸」「十補丸」などがあります。

陰陽双補剤は、陰気と陽気の両方が不足することにより、息切れ・ほてり・口渇・倦怠疲労感・視力減退などの症状が現れる『陰陽両虚』を改善する方剤で、代表的な方剤には「二仙湯」「亀鹿二仙膠」「桂枝加竜骨牡蛎湯」などがあります。