知っておきたい 『基礎医学用語』

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尺骨動脈 (しゃっこつどうみゃく)

上腕動脈から起こり、前腕尺側を下行する動脈で、主に前腕尺側を栄養する。尺骨動脈の起始部付近からは、肘関節周囲を栄養する尺側反回動脈、前腕骨間を栄養する総骨間動脈が分岐しており、手部へ向かう間に尺骨の骨髄を栄養する尺骨動脈や前腕尺側部にある筋肉を栄養している筋枝が分岐する。豆状骨付近では背側手根枝が出ており、橈骨動脈からの動脈枝や前骨間動脈と吻合して背側手根動脈網を形成する。また背側手根枝の起始部付近から出る浅枝は第5中手骨の尺側縁を走る背側枝動脈となる。尺骨動脈の手根部から掌側へ向かう掌側手根枝は橈骨動脈掌側手根枝とともに掌側手根動脈網を形成する。また、豆状骨の橈側で起こる尺骨動脈の深掌枝は手掌の深層に入り、橈骨神経の深掌枝と吻合して深掌動脈弓を形成し、尺骨動脈の終枝は橈骨動脈の終枝と吻合して浅掌動脈弓を形成する。