知っておきたい 『病院の検査』

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γ-グロブリン

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検体
血清

血清中に含まれるタンパク質である4種類のグロブリンの一つ「γ-グロブリン」の血清総タンパクに対する比率を測定する検査。
血清タンパクは、その約80%が肝臓で作られるが、その大半はアルブミンと4種類のグロブリンであるため、血清総タンパク(TP)に異常が見られる場合、各血清タンパクの増減を比較・観察することで「肝臓疾患」や「膠原病」など診断指標とする。

基準値

分画 10.5~20.3%
濃度 0.80~1.52g/dL

異常値を示す疾患

高値を示す疾患

  • 多発性骨髄腫
  • マクログロブリン血症
  • 本態性M蛋白血症
  • 慢性感染症
  • 悪性腫瘍
  • 慢性肝炎
  • 劇症肝炎
  • 肝硬変
  • 膠原病
  • 全身性エリテマトーデス
  • 関節リウマチ
  • 慢性炎症性疾患
  • 自己免疫性疾患
  • ドライアイ
  • など

低値を示す疾患

  • 悪性リンパ腫
  • 悪性腫瘍
  • 白血病
  • 多発性骨髄腫
  • エイズ
  • 低蛋白血症
  • 無(低)γ-グロブリン血症
  • ネフローゼ症候群
  • など
  • 基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。