知っておきたい 『病院の検査』

イアトリズム総合案内

胸水

doctor iat
検体
胸水

胸膜腔に存在する胸水を胸腔穿刺により採取し、その性状や量などを調べる検査。
胸水の貯留は、静脈圧の上昇や浸透圧の低下などによる「漏出性」のものと、炎症や腫瘍などを原因とする「滲出性」のものがあるため、その貯留原因の違いにより「ネフローゼ症候群」や「うっ血性心不全」また、「肺結核」や「がん性胸膜炎」などの診断指標とする。

基準値

ごく少量(成人の健常者)

異常値を示す疾患

漏出性
  • うっ血性心不全
  • ネフローゼ症候群
  • 肝硬変
  • 腎不全
  • 低アルブミン血症
  • など
滲出性
  • 細菌性肺炎
  • 胸膜炎
  • 肺結核
  • がん性胸膜炎
  • 食道がん
  • 自己免疫性疾患
  • など
  • 基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。