知っておきたい 『漢方生薬』

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漢方生薬

山菖蒲

よみかた
さんしょうぶ
生薬種別
開竅薬
薬味薬性
辛、苦

異称別名および炮製品名

基原炮製(この生薬の原材料と加工法)

ショウブ科ショウブ属セキショウの根茎

適応疾患および対象症状

意識障害、うわごと、驚きやすい、不安感、不眠、てんかん、狂躁状態、もの忘れ、痴呆、おりものが多い、耳鳴りなど

この生薬の持つ「薬理作用」

精神安定、意識回復、痴呆改善、睡眠改善、去痰作用、解熱作用、老化防止、聴力改善、耳鳴改善、止帯作用、動悸改善など

東洋医学的弁証(この生薬が対象とする、東洋医学の診断に基づく疾患および症状)

高熱挟痰、癲癇発狂、心神不寧、驚悸失眠、耳鳴耳聾、神昏譫語

治法・治療原則(この生薬が持つ、東洋医学的治療法と治療原則)

開竅醒神、祛痰開竅、聡耳健脳、寧心安神

帰属経絡(この生薬が主に治療効果を発揮する、経絡および臓腑)

心、脾、胃

この生薬を用いる「漢方方剤」(異称別名表記)

方剤名 出典(処方来源)
安神定志丸あんしんていしがん《医学心悟》いがくしんご
甘露消毒丹かんろしょうどくたん《医効秘伝》いこうひでん
孔子大聖知枕中方こうしたいせいちちんちゅうほう《備急千金要方》びきゅうせんきんようほう
孔聖枕中丹こうせいちんちゅうたん《備急千金要方》びきゅうせんきんようほう
地黄飲子じおういんし《聖済総録》せいざいそうろく
地黄飲子じおういんし《宣明論方》せんめいろんぽう
滌痰湯じょうたんとう《済生方》さいせいほう
神犀丹しんさいたん《温熱経緯》おんねつけいい
桑螵蛸散そうひょうしょうさん《本草衍義》ほんぞうえんぎ
駐景丸ちゅうけいがん《証治準縄》しょうちじゅんじょう
枕中丹ちんちゅうたん《備急千金要方》びきゅうせんきんようほう
定癇丸ていかんがん《医学心悟》いがくしんご
柏子養心丸はくしようしんがん《体仁彙編》たいじんいへん
萆薢分清飲ひかいぶんせいいん《医学心悟》いがくしんご
萆薢分清飲ひかいぶんせいいん《丹渓心法》たんけいしんぽう
普済解毒丹ふさいげどくたん《温熱経緯》おんねつけいい
連朴飲れんぼくいん《霍乱論》かくらんろん
六神湯ろくしんとう《沈氏女科輯要》ちんしじょかしゅうよう
  • 『生薬種別』については、複数の漢方生薬種別に属する生薬もあるが、当該生薬の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方生薬種別に基づき、単一の生薬種別に属させている。
  • 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
  • 『適用疾患および対象症状』については、当該生薬が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
  • 『この生薬の持つ「薬理作用」』については、当該生薬の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。